【2028年4月から】ストレスチェックが従業員50人未満の事業場でも義務に|初めて実施する会社のための準備ガイド

【2028年4月から】ストレスチェックが従業員50人未満の事業場でも義務に|初めて実施する会社のための準備ガイド

はじめに

これまで「従業員50人以上の事業場の義務」とされてきたストレスチェック。2025年5月に公布された改正労働安全衛生法により、50人未満の事業場でも実施が義務になります。

施行日は、2026年6月に公布された政令で2028年4月1日と決まりました。施行日から1年以内、つまり2029年3月31日までに初回の実施が必要とされています。多くの中小企業にとっては、初めて取り組む制度です。

「何をすればいいのか」「費用はどのくらいか」「小さな会社で個人の結果が漏れないか」。本記事では、こうした疑問に答えながら、今から準備できることを整理します。

ストレスチェックとは

ストレスチェックは、従業員が質問票に回答し、自分のストレスの状態に気づくことを目的とした検査です。年に1回実施します。

全体の流れは次のとおりです。

  1. 会社が実施方針を決め、従業員に周知する
  2. 従業員が質問票(一般的には57項目)に回答する
  3. 医師・保健師などの「実施者」が結果を評価し、本人に直接通知する
  4. 高ストレスと判定され、本人が希望した場合は、医師による面接指導を行う
  5. 面接した医師の意見を聴き、必要に応じて就業上の措置をとる

50人以上の事業場との違い

50人未満の事業場では、負担に配慮して次のような違いがあります。

項目50人以上50人未満
ストレスチェックの実施義務2028年4月から義務
高ストレス者への医師の面接指導義務2028年4月から義務
労働基準監督署への結果報告義務不要
集団分析(部署ごとの傾向の分析)努力義務努力義務

小さな会社で特に気をつけたいこと:プライバシー

ストレスチェックでいちばん大切なのは、個人の結果を、本人の同意なしに会社が見ることはできないという点です。

従業員が少ない会社ほど、「誰が高ストレスだったか」が推測されやすくなります。このため、厚生労働省が2026年2月に公表した「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」では、外部の機関に委託して実施することが推奨されています。

社長や上司が結果を取り扱うと、従業員は本音で回答しにくくなります。本音で回答されなければ、制度の意味がなくなってしまいます。

また、次のような取扱いは禁止されています。

  • ストレスチェックを受けないことを理由とした不利益な取扱い
  • 面接指導を申し出たことを理由とした不利益な取扱い
  • 結果を理由とした解雇・不当な配置転換など

なお、会社には実施する義務がありますが、従業員本人には受検の義務はありません。 受検を勧めることはできても、強制はできない点にご注意ください。

今から始めたい準備

準備1:委託先を探す

健康診断を依頼している機関が、ストレスチェックも請け負っていることがあります。健診とあわせて実施できれば、従業員の負担も手間も減らせます。 費用は委託先によって異なりますが、1人あたり数百円から数千円程度の例が多いようです。いくつか見積もりを取って比較しておくとよいでしょう。

準備2:面接指導の依頼先を確保する

50人未満の事業場には産業医の選任義務がないため、面接指導をどの医師に頼むかが課題になります。

各地の地域産業保健センター(地さんぽ)では、従業員50人未満の事業場を対象に、高ストレス者への面接指導などを無料で受けられる場合があります。千葉県内にも各地域にセンターがありますので、早めに確認しておくと安心です。

準備3:社内ルールを決める

衛生委員会のない50人未満の事業場でも、次の点はあらかじめ決めて、従業員に周知しておく必要があります。

  • 実施の時期と方法(紙・Web)
  • 実施者・委託先
  • 結果の保存方法と、誰が取り扱うか
  • 面接指導の申出の方法
  • 不利益な取扱いをしないこと

準備4:試しに実施してみる

義務化の前でも、努力義務として今から実施することは可能です。 2027年度中に一度試しておけば、2028年度の本番を落ち着いて迎えられます。

まとめ:50人未満の事業場のチェックリスト

  • □ 2028年4月1日から義務になることを把握しているか
  • □ 外部の委託先の候補を探したか(健診機関への確認を含む)
  • □ 高ストレス者の面接指導を頼む医師・地域産業保健センターを確認したか
  • □ 個人の結果を会社が見ない仕組みを考えているか
  • □ 実施方法・結果の取扱いなどの社内ルールを決めたか
  • □ 2027年度中に試行するかどうかを検討したか

ストレスチェックは、「やらなければならない手続き」ではなく、メンタル不調を早めに見つけるための仕組みです。休職者が1人出るだけで業務への影響が大きい中小企業こそ、うまく活用したい制度です。

休職や復職のルールづくりについては「従業員がメンタル不調で休むことになったら」もあわせてご覧ください。

ストレスチェックの導入や社内ルールの整備についてお困りのことがございましたら、詳細はお気軽に当事務所までご相談ください。初回のご相談は無料で承っております。


※本記事は2026年10月時点で公表されている法令・資料に基づいています。地域産業保健センターのサービス内容は地域によって異なる場合があります。

社労士事務所LDパートナーズ(千葉市)
代表 社会保険労務士 大城里佳

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